お金のはなしをするよ

お金のはなしをゆるゆるとしています。

このブログではアフィリエイト広告を利用しています。

複利効果は『ドラえもん』で学んだ

投資をしている人は、複利効果が大好きです。
私が複利効果を知ったのは、幼いときに漫画『ドラえもん』を読んだときでした。

「ボーナス1024倍」

ドラえもん』には、複利効果を題材にしたエピソードがいくつかあります。ウェブ上でよく話題になるのは、「ボーナス1024倍」(『藤子・F・不二雄大全集ドラえもん(3)』収録)です。

のび太は、パパのボーナスで新しい自転車を買ってもらう約束をしていました。ところが、パパとママがボーナスの使い道を計算したところ、自宅の修理費等にお金がかかることがわかり、パパから「自転車はまたこんどな」とごまかされてしまいます。自転車を諦められないのび太は、ドラえもんに「ボーナスをふやす機械はないかしら」と尋ねます。ドラえもんが思いついたすごい方法は、「銀行にあずける」でした。
銀行に預けると、定期預金では10年で倍、20年で4倍、30年で8倍となり、100年で1024倍になります。「100年後じゃいみないよ」と呆れるのび太に対して、ドラエもんは「わすれてやしませんか。「タイムマシン」があることを」と言うのです。ボーナスを定期預金にして100年後に今すぐ取りに行けばよいのです。
ドラえもんはパパのボーナスを無断で持ち出し(!)、銀行に100年間の定期預金にして、100年後の未来に取りに行きます。
複利効果と預金の大切さを印象づけるエピソードでした。ですが、この方法は現在ではタイムマシンがあっても不可能です。定期預金が10年で倍ということは、1年あたりの利息が7パーセントを超えている必要があります。現在の日本の都市銀行では、定期預金の利息が年0.002パーセント程度ですから、100年間預けてもほとんど増えません。

「フエール銀行」

先程の「ボーナス1024倍」では、「ボーナスをふやす機械はないかしら」と聞くのび太に「そんなのがあれば苦労しないよ」とドラえもんが答えていました。後に「ボーナスをふやす機械」が登場するエピソードが登場します。「フエール銀行」(『藤子・F・不二雄大全集ドラえもん(12)』収録)です。

のび太は、お年玉の残りが10円になってしまい、無駄遣いをしたことを後悔していました。そんなのび太を見て、ドラえもんひみつ道具「フエール銀行」を取り出します。
フエール銀行にお金を預けると利息がつきます。利息は1時間あたり10パーセントです。10円が1時間後には11円、2時間で12円10銭、3時間で13円31銭、8時間で倍になり、1日で約100円、1週間で約9000万円になります。
さらに、定期預金にすると金利が上がり、1か月定期で1時間あたり20パーセント、1年定期で1時間あたり50パーセントです。ただし、定期預金にすると、途中解約ができません。
「フエール銀行」には貸出し機能もあり、お金を借りることができます。借りたときの金利は、1時間に20パーセントです。のび太は、預金でお金が増えるのを待つことができず、「利子をとられるといっても、お金がなければとられようがないじゃないか」と5000円を借りてしまいます。
複利効果と預金の大切さに加えて、無計画な借金の怖さがわかるエピソードです。

バイバイン

複利効果の強烈さをもっとも印象づけたのは、「バイバイン」(『藤子・F・不二雄大全集ドラえもん(8)』収録)でしょう。

のび太は、1個のくりまんじゅうを目の前にして、くりまんじゅうは食べるとうまいけれどなくなる、食べてもなくならなようにできないものかと悩んでいます。ドラえもんは、ひみつ道具バイバイン」を取り出します。
バイバイン」はなんでも増やす薬です。対象の物にバイバインを1滴垂らすと、5分ごとに数が倍になります。1個のくりまんじゅうは、始めの5分で2個になり、次の5分で4個になります。
のび太は、1つ残しておけばいつまでも食べ続けられると、くりまんじゅうを食べ続けますが、お腹が一杯になり食べられなくなります。ジャイアンスネ夫を家に呼んでくりまんじゅうを食べてもらいますが、それでも食べきれず、残ったくりまんじゅうを庭のポリバケツに捨ててしまいます。
のび太ドラえもんに残さず食べたと嘘をつきます。ドラえもんが言うには、くりまんじゅうが残っていたら大変なことになっていたというのです。1個のくりんまんじゅうが5分ごとに倍になると、1時間で4096個、2時間で1677万7216個、それから15分で1億個を超し、1日で地球がくりまんじゅうの底にうまってしまいます。
のび太から打ち明けられたドラえもんは、ポリバケツから溢れる大量のくりまんじゅうを目にして「えらいことをしてくれた!」と飛び上がります。
くりまんじゅうで地球が滅亡しかけるというシチュエーションのおかしさと複利効果の強烈さが相まって、忘れられないエピソードです。